●用意するクロス
マスキングした所よりも少し大き目にカットしたクロスを1枚、そしてマスキングの内側の傷口を隠すくらいに乗せる小さめにカットしたクロスの2枚を用意します。
傷が1層程度削って消えたフォームまでヒビが届いていない程度のクラッシュで1層分を削り落とした軽度の修理であれば1枚でも大丈夫ですが、仕上げる際のサンディングが慣れるまではこの2層で修理された方が良いかと思います。
傷口のフォームも損傷して少し凹んでしまっている場合は、小さめのクロスをもう1枚重ねた3層で樹脂を盛ると仕上げのサンディングでの作業しやすいかと思います。
大きく凹んでしまっている場合やクロスを大きく使用する修理の場合は、ご自分での修理はやめてプロに任せることをおすすめします。
●樹脂の作り方
次に樹脂を作ります。画像のように紙コップを傾けた時のこのくらいの樹脂の量(簡易な修理なら紙コップ底から1cm弱くらい)に対して、冬場なら硬化剤を4〜5滴ほど、夏場なら2〜4滴ほど入れます。季節や気温によって量を調整します。
硬化剤はスポイトになっていますので、1滴づつポタッポタッとゆっくり垂らすよう感じで入れて行きます。
硬化剤の入れすぎは樹脂が熱を持って危険であり、またフォームを溶かしてしまうこともありますので注意してください。
硬化剤が少なくても硬化はするので、慣れるまでは少し少な目を意識されると良いでしょう。
硬化剤を落としたら、割箸で水アメをこねるかのようによく混ぜてください。
雨の日などで湿気の多い時はエアコンで空気を乾燥させたり、寒い日はエアコンの暖房をつけて大気を安定させると硬化が早まります。
●樹脂とクロスの貼り方
クロスを貼りつける前に、傷口に樹脂を馴染み込ませるように指先で作った樹脂を塗りつけます。
クロスを正確に馴染ませるための糊づけも兼ねる感じです。
カットしておいた大き目のクロスを乗せ、樹脂で更にクロスと樹脂を傷口に押し馴染ませるように均等に塗り伸ばします。
画像のようにマスキングテープをしていない外側に樹脂を塗らないように注意しましょう。
傷口周辺は下地処理で削り込んだ分をイメージしながら少し樹脂を大目に盛る感じに塗るのがコツです。
マスキングの内側の傷口をしっかり覆うカットしておいた小さめのクロスを乗せ、更に樹脂を塗り込みます。
やはり傷口周辺にはクロス目が見えないような感じで指で押ししごくように、傷の上は少し盛るように塗り込むのがコツです。
樹脂を塗る作業は、ゼリー状になってしまう前に素早く行ってください。
指についた樹脂は、アセトンで拭き取ってください。
●樹脂を盛る(塗る)時の注意!
図のようにクロスを入れた樹脂をマスキング内側と傷口周辺をデッキ表面より少し盛るように塗ります。
マスキングした上にあまり樹脂を盛るとサンディングが大変になるので薄目に塗るのが仕上げのコツになります。
ラミネート完了の状態です。慌てて硬化しきらないうちにサンディングすると、ボロボロとせっかく乗せたクロスの入った樹脂が剥がれてしまうので、完璧に硬化するまで出来れば慌てずに1日ほど放置しましょう。
エアコンや暖房で季節や気温に合わせて大気を安定させると硬化は早まりますが、匂いが凄いので放置しておく場所は選んで硬化させるのがおすすめです。
この修理では傷が少々深いので、うっすら傷口が残っていますが、深い傷口を目立たせたくないとこだわる場合は、樹脂に水性の白い塗料を少し混ぜた樹脂を他に作っておいて、糊づけと1枚目のクロスを貼る時に傷口周辺だけ塗り込んでおくとと、仕上がりでは傷口が白く目立たなくなるかと思います。
修理に慣れてきたらチャレンジしてみてください。