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ファームディストリビューション

ひび割れ程度の基本編 下地処理

ちょっとしたヒビ割れのクラッシュ程度の傷など簡易な修理は、この先サーフィンをされていく中でもよくあることなので、サーファーであればぜひご自分で直せるように覚えておきましょう!

爪でひっかいてみて引っかかるような傷はフォームまで達している恐れがありますので、そのままにしているとジワジワと海水が浸入して傷口が黄ばんで来たり剥離してしまったり、またボードが重くなったりとポテンシャルを落としてしまうので早めに修理をされることをおすすめします。

よくキッチンテープやリペアテープを貼ったままで放置されている方も見かけますが、あくまでも応急処置でそのままではテープの糊が弱くなり浸水したり、貼った気付かないシワから侵入したりと剥がした時にはひどいことになっているといったこともありますので注意が必要です。

●用意するもの

・クリアレジン・・・市販のサーフボード修理用(パラフィンという仕上げ剤が混ざったポリエステル樹脂)

・パーメック・・・市販のサーフボード修理用硬化剤

・ガラスクロス・・・市販のサーフボード修理用

・マスキングテープ

・アセトン・・・肌についた樹脂を取り除きます

・紙コップ

・割箸

・サンドペーパー・・・#60・#80・#100・#120・#240・#320・仕上げ用#1000など

※必要に応じて手袋・水性塗料・キューセル(フォームの粉)・防塵マスクなど

●修理前の処理

陸でちょっとぶつけてしまってひび割れた場合は水を吸っていないのでそのまま修理に入ってもかまいませんが、海の中でクラッシュした場合は海水を吸ってしまっています。

そのまま修理すると直した後も剥離の原因になったり、黄ばんでしまったりするので、海から上がったらジャブジャブと思いっきり真水をかけて塩分が落ちるまで洗ってください。

塩分が取れるまで洗えたらよく水を拭いて、傷口にティッシュペーパーをマスキングテープで固定し、傷口を下にした状態で1〜2日ほど、完全に水分がなくなるまでしっかり乾燥させましょう。

しっかり乾燥せずに修理をすると、やはり剥離の恐れや黄ばみの原因の可能性が生じますのでご注意を!

●下地処理

完全に乾いたら修理に入ります。まずは#60番〜#80番くらいの荒いペーパーを用意します。

傷口周辺四方各1cmほどの仕上げのための削りしろを空けて、傷口を中心にフォームが出ない程度にザックリ削っていきます。削った際1層目で傷が消えるような場合はさほど深く削る必要はありません。

注)この時、傷口周辺が大きく剥離してしまっていて、削って行くうちに表面のラミネート部が剥がれてしまったといった場合は、キューセルによる形成修理が必要になりますので、慣れていない方はプロに任せましょう。

傷口周りの削りしろはクロスを貼る際の糊づけな感じで、荒めのペーパーで傷をつける程度でOKです。

深く削っても傷が消えない場合はフォームまで傷が達しているので、フォームを傷つけない程度に削り込んでください。

傷口周辺の削りしろは、あくまでもクロスを入れた樹脂との接着をよくする程度にあまり深くは削らず、あくまでも傷口周辺に関して深めに削って行くのがコツになります。

傷口にサンディングペーパーで削った削りカス、またゴミなど入った場合は、刷毛などで叩くように綺麗に取り除かれておいてください。

また 慣れないうちは削りしろを設けたところにマスキングテープで囲み、マスキングテープで囲んだ内側を削るように下地処理をすると、余計なところまで削ることなくおすすめです。

下地処理ができたら、このマスキングテープは一度剥がして、ラミネートする前に貼り換えておきましょう。

下地つくりでザックリと削る際の注意!

図1:壊れていない状態

図2:ヒビが入った状態(フォームまで達している場合)

図3:削り取る度合い

ざっくり削るコツとしては、図3のようにデッキ2層のうち、傷口の辺りを1層目(レッドの部分)を落としてしまう感じでフォームまで達しない(フォームを削らない)程度に2層目(グリーンの部分)深めにしっかり削るようにしましょう。

図4:サンディングのダメな例

図4のように傷口周辺の1層目(レッドの部分)の表面だけをちょっと削っただけでは、図5のように後々クロスを2層(ブルーとピンク)に樹脂を盛っても、削っているうちにまた1層目(レッドの部分)の表面に傷口が現れて来てしまうのをお分かりいただけるかと思います。(図5参照)

クロスを含んだ樹脂で表面が覆われたとしても、仕上げに削って行くうちに薄くクロスと樹脂が乗るだけになるので、またひび割れが生じて来てしまう弱い修理となってしまいます。

削り込んだ傷口にしっかりクロスと樹脂でラミネートされることをイメージして、下地作りのサンディングをしましょう。

図5:

1cm程度設けた削りしろを囲むように、マスキングテープを四方に貼ります。

図:マスキングテープを貼った状態

傷の周辺部分は深めに、傷口から離れるほどにクロスの入った樹脂との接着をよくさせるための浅めに。マスキングテープは削りしろ四方外側の全く削っていない所(パープルの部分)に貼ります。


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