レールが厚いと波に食い込ませづらくなり、レールが薄いと波に食い込ませやすくなる。
レールが厚いと反発が強くなりレスポンスがアップし、レールが薄いと反発は弱くなりレスポンスも弱くなる。
パワーレスな厚い波では、より推進性を求める上でボードの反発を必要としてくるものです。
このときレールが薄いとレールからの反発が得辛くなり、上手くレールワークによってスピードコントロールが出来ないとスピードを得るにも限界を感じて来ます。
逆に掘れるパワフルな切り立ったフェイスでボードコントロールをする際、極端に厚いレールはフワフワと上手くレールをフェイスに食い込ませ、そして抜くといったレールトゥレールの動作ががしづらくなり、やはり思うようにボードをコントロールするといったことが出来なくなってくるものです。
このようにレールのボリュームを決める上では、体重や脚力は勿論、使う目的のポイントの波質や求めるサーフィンスタイルを考慮した上で、自分の好みのレールをチョイスするべきと考えます。
またレールにボリュームがあると、パドルにおいても、テイクオフにおいても、またライディングの際にも断然安定感も増してきます。
ビギナーにはフルレールをすすめるといったところは、この要因が大きく影響していると言えます。
レールにはフルレール、ミディアムフル、ミディアム、ミディアムテーパー、テーパーといったものに基本的分けられますが、同じ名称でもシェイパーのデザインによってレールの落とし方も変わってくるものなので注意すべきかと思います。
●ミディアムなレール
●ミディアムフルなレール
●フルレール
ストリンガーのあるボードのセンター部分からの落とし方によっても大分変わっても来ますので、そのシェイパーのレールの落とし方の特徴を知ることも大切なのではないかと思います。
ビギナー〜中級レベルであれば、比較的ボリュームのあるレール、中級〜上級レベルであれば、各々のレベルにおいての自分の求めるサーフィン、そしてボードコントロールスキルに適した程よく踏めて程よく反発を得られる範囲で決めていくのが良いかと思います。
確かにレールがシャープなほど反応が速く感じられ、ボードコントロールが軽く感じる部分はあるかと思いますが、ただそれは悪く言えば振り回しやすくなったとも言え、正確にレールを使えたサーフィンを覚えたり、レールからのレスポンス(反発)を上手く推進加速につなげたりと、ダイナミックでパンチのある大きなマニューバーのサーフィンを覚える上では支障になってくることもあります。
特にこれから様々なアクションを目指す中級者には、適度な範囲のボリュームの中でしっかり踏み込め、そして抜くときの加速に繋げられる反発を感じられるレールをチョイスした方がおすすめになるかと思います。
このレールボリュームですが、小波用では比較的フルレールよりのボリューム、オールラウンド対応のボードにはミディアム〜テーパーと波のコンディションやライディングスタイルによる使用目的などに合わせた落とし気味のレールを採用しているものです。
小波用ではテールよりのボリュームも比較的残すものでもありますが、これはパワーのない波からの弱い力を受けやすく浮きやすくしているものです。
ただこの辺も全体的なボリュームバランスというのがあるので、部分的に決めるのも危険なところです。やはり良いサーフボードには、トータルなバランスというものがあるものなんですよね。
またこのレールの好みというのが分かるようになるのは、しっかりレールからのレスポンスを推進スピードやコントロールに変えられて乗れているサーファーであるからと言え、色々なサーフボードや色々なレール形状のボードに乗って来たという経験があり、ボードコントロールにおいての自分なりのレールからのレスポンス具合の程よい感覚を知っているからこそ、このレールの好みというのも表現出来るようになってくるのではないかと思います。
まだそういった好みや経験の豊富さがないといったレベルのサーファーは、やはり適度にボリュームのあるボードに乗った方が、レベル的な部分の安定感を考えてもおすすめではないかと思います。
オーダーいただく際は出来る限り好みに近づける努力には努めてはおりますが、中々はじめてのオーダーからその人に合ったビンゴなレールボリュームといったことは難しいのも正直なところでもあります。
ヨシノシェイプサーフボードではお客様のレールフィーリングの好みにもしっかり反映出来るように、可能な方はレールチェックにもお越しいただくなどその辺もしっかり対応させていただいております。
ハンドシェイプだからこそ、ダイレクトに細かい微調整が可能なところでもあります。