フィンのサイズはサーフボードのロッカー、アウトラインなどボードのタイプでも変わって来ますが、乗り方のスタイルや体重も影響して来ます。
またフィンによるフィーリングの違いも、ライディングスタイルや乗り手のレベルなどで好みも変わってくるものと言えます。
まず基本的には自分の体重を目安にサイズを決めていきます。
従来のFCSのフィンの場合では、M2・M3・M5・M7がベーシックなフィンとなり、これらのフィンの目安での体重によるフィンのチョイスについて説明します。
M2(XS)・・・キッズや体重55キロ代以下
M3(S) ・・・体重60キロ前後
M5(M) ・・・体重65キロ前後
M7(L) ・・・体重70キロ前後以上
※FCSUではXS・S・M・L・XLのサイズが目安になります。
フィンをテストする前に、感じるべきフィンの基本的な性能について知っておこう
安定性能
パドリング・テイクオフ・ライディングでの自分にとって必要とする安定感を得られるか
駆動性能
パドリングで漕ぐほどにグングン加速を感じる駆動をしっかり感じられているか
テイクオフでの前にスムースに走っていくグググッといった駆動をしっかり感じられているか
ライディングでの加速でスムースにグングンと前に出て行く駆動をしっかり感じられているか
推進性能
パドリングで漕ぐ際に、後ろからリーシュを引っ張られているかのようなフィンによる抵抗や重さを感じず軽快に加速を感じるパドリングが出来るか
テイクオフで滑り出した際、フィンが波に引っかかっているかのように前に出づらく感じることはないか
ライディングの際に、フィンが引っかかるかのような加速を妨げるテール抜けの悪い重さを感じないか
ドライブ性能
自分にとってフラつくことなくスムースに加速の伸びに繋がるドライブターンが出来るか
回転性能
ターンをする際に硬さや重さを感じることなくスムースにターンが出来るか
ホールド性能
パドリングやテイクオフの際にフラつかず、ターンの際にテールが流れることなくしっかり狙ったアプローチに対してターンが出来るか
ルース性能
ターンでのテールコントロールする際に、ホールドしすぎず硬すぎないターンフィーリングを感じないコントロールしやすい「遊び」があるか
レスポンス性能
ボードコントロールする際、反応しやすくスピードに繋げやすいフィーリングが得られるか
フレックス性能
ターンをする際のコンディションによって硬さが必要なのか、バネが必要なのか、自分の好みのターンフィーリングに合った反応が得られるか
まずは自分の体型に合った基準となるフィンで試してみます。
●ゲッティングアウト
まずは基準となりサイズのフィン全てをセットしたセッティングでパドリングしてみます。
駆動感や推進性は良いものの、どうも重くパドルがしずらいと感じた場合はセンターフィンを少し小さいワンサイズ下のフィンに変えてみます。
センターフィンを小さくしたことでテールの抜けがよくなりパドルリングが軽くなったものの、どうも駆動感が落ちたり不安定感を感じるようになってしまった場合は、フロントフィンに同じ目安サイズのエリアやベースの広めなフィンを試してみます。
ゲッティングアウトの際のパドリングで必要な性能フィーリングとしては、安定性能、ホールド性能、駆動性能、推進性が感じるべきフィーリングになります。パドルスキルによって重点を置くところは変わって来るかと思います。
このパドリング自体で重さや抵抗を感じてしまいスムースに行えないと感じる場合は、基本的にベストセッティングなフィンと言えない目安になるかと思います。
●テイクオフ
パドリングで調子よく感じるフィンセッティングでテイクオフをしてみます。
ボードは滑り出す意思を示しながらも、どうもテールが抜けて来ず前に出づらいといった場合はフィンの抵抗が大きすぎるか駆動性が悪くフィンの機能が損なわれていると思われます。
パワーレスなブレイクではフレックスの強めなフィンを試してみる、パワフルな波では駆動の高い硬めなフィンを試してみる、サイドフィンにエリアやベースの広めのフィンを試してみる、ベースの広めな小さめなセンターフィンを試してみるなどが考えられるチョイスの目安になるかと思います。
特に安定感を重視したい初心者や初級者は、エリアやベースの広めな大き目のフィンを考えることがポイントになって来ると思います。
テイクオフにおいて必要な性能フィーリングとしては、やはり安定性能、ホールド性能、駆動性能、推進性、またフレックス性能やレスポンス性能も感じるべきフィーリングになってくると思います。
●ライディング
パドリングとテイクオフのテストでグッドフィーリングなセッティングで、テイクオフからまずファーストターンでのフィーリングを感じてみます。
このときターンがハッキリしないモタッとした感じであれば、フロントフィンが小さいことが考えられます。
またタールが流れるようにターンに不安定感を感じる(ルースな)場合は、センターフィンが小さすぎることが考えられます。
アップスダウンで走る場合、テールが抜けて来ない(リリースされない)重さを感じる場合は、フィンが大きすぎることによる抵抗を生じていることが考えられます。硬めなフレックスのベースの広めなフィンで小さめなサイズをチョイスしてみるか、小さめなセンターフィンを試してみると良いかと思います。
ターンの伸びに物足りなさを感じ、もっとドライブさせたいと感じる場合は、スイープの強めなフィンを試してみます。
回転性を重視したい場合はスイープの少ない立ったフィンを試してみると良いかと思います。
ライディングにおいて必要な性能フィーリングとしては、やはり安定性能、駆動性能、推進性、そしてフレックス性能やレスポンス性能が感じるべき重要なフィーリングになってくると思います。
アークを描く大きなラインでライディングするのか、ピボットにクイックなラインでライディングをしたいのか、スタイルによってもフィンサイズや素材のチョイスは変わって来ると思います。
パキパキと反応のよいターンを求めるスタイルなら硬めなフィン、バネのようにターン後半で伸びのあるターンを求めるスタイルならフレックスのよいフィンと素材による好みも変わってくるものです。
硬めなフィンはホールド性や駆動性がアップし、パワフルなブレイクに向いていると言えます。またフレックスの高いフィンはパワーレスなブレイクでのソフトタッチなテールコントロールに向いていると言えます。
●パフォーマンス
パフォーマンスにおけるフィンの性能としては、安定性能、推進性能、ドライブ性能、回転性能、ホールド性能、ルース性能、レスポンス性能、フレックス性能など、全てのポテンシャルが関わって来ると言えます。
正確なボトムターンにおいては、レベルによって必要となる安定性能、しっかり踏み込み倒していける安定性能やホールド性能、伸びのある大きなラインでのボトムターンのためのホールド&ドライブ性能、そしてコントロールのためのレスポンス&フレックス性能が関わってくると言えます。
また変化の激しいブレイクでのボトムターンでは、コントロールに繋げる適度なルース性能も必要となるでしょう。
トップアクションへのアプローチにおいては、回転性能やレスポンス性能、またフレックス性能。
トップアクションによっては、攻め方によって変わって来るかとは思いますが、安定性能、ルース性能、レスポンス性能、フレックス性能、そしてリリース性能も必要になって来ると思います。
カットバックでのリエントリーではやはり安定性能、そして回転性能、ドライブ&推進性能、ルース&レスポンス性能、ホールド&リリース性能など、やはり多くのフィンポテンシャルが必要になって来ます。
この辺のフィンチョイスは、パフォーマンススキルやスタイルによってチョイスも変わってくると言えます。
アクションを練習し、メイクを目指す上で、自分にとってどういった性能を重視すべきかを考えチョイスしていくのがおすすめになるのではないでしょうか。
基本的にはまずは基本目安なベーシックなフィンで試してみて、安定&ホールドさせたいなら高さのある立ったフィン、安定&ドライブさせたいならベースの広いフィン、伸びのあるターンをしたいならスイープの強いフィン、回転性を高めたいならベースが短めなスイープの少ない立ったフィンといったところが目安になってくるでしょう。
●フィンの素材について
グラスフレックスフィン・・・フレックスの高いフィンです。ターン後半の伸びを感じるターンは、パワーレスなブレイクでのソフトタッチなイージーコントロールに向いていると言えます。
PCフィン・・・ハニカム素材の軽量なフィンです。適度なフレックスと硬めな素材により、程よいフレックスフィーリングとスパスパッとした感じでのスムースなターンフィーリングを得られます。
PCCフィン・・・PCフィンのベース部分にカーボン素材を施したドライブ性とフレックス性を考えられたフィンです。比較的パワフルなブレイクで駆動性の高いスムースなターンフィーリングを得られるフィンと言えます。
グラスフィン・・・硬めなフィーリングながら全体的にバランスの良いフレックスフィーリングを感じられるオンフィンのフィーリングに近づけたフィンです。パワフルでサイズのあるコンディションに向いているフィンと言えます。好みにもよりますが、あまりビーチブレイクでの柔らかい波質には向いていないかもしれません。
フィンのフィーリングは個々のレベルやサーフィンスタイルによってのトータルバランスなフィーリングが大切になって来ると思います。
サーフボードのアウトラインやロッカーなどのシェイプデザインによってもチョイスは変わって来ると言えます。
フィンの素材やフィンの重量でも同じテンプレートでもフィーリングが変わって来ます。
とにかく実際に色々なフィンを試される中で、そのボードにおける自分にとって調子のよいベストセッティングを探されることをおすすめします。
フィンは車で言えば足回りと同様と言え、チョイスを間違えばサーフボードの性能を殺してしまう恐れがあり、ベストセッティングを見つけることが出来ればサーフボードが自分の足になったかのような思うがままのものへと変えてくれるツールでもあります。
僕はまだフィンによる良し悪しなんて分からないし、、、といった初心者や初級者の声を耳にすることがありますが、決してそんなことはなく、レベルに合ったフィンセッティングを見つけることでパドリングは更に楽なものに、また波に乗るテイクオフにおいても更なる可能性が広がってくるものです。
ここに書いてきたことは、あくまでも様々なボードで様々なフィンを試して来た個人的な見解のものになりますが、大変参考になっていただけるかと思います。
特にヨシノシェイプユーザー様はこの記事を参考に、海に行くごとにフィンを変えるのではなく、色々なフィンをビーチに持ち込み、同じコンディションでマメにフィンを変えてみて試されてみることをおすすめします!
同じコンディションで色々フィンを試されてみることが、フィンの違いによるフィーリングも解りやすくなると思いますので。
ちなみにクアッドにおいても基本的には同じです。特にクアッドの場合はバックフィンによって違いを強く感じるかと思います。テールの不安定やルースを嫌いしっかりドライブさせたいなら大き目なクアッドバックフィン、逆にパワーレスな小波などでテールをルースさせて攻めたいなら小さめなクアッドバックフィンというチョイスがグッドだと言えます。あとは回転性ドライブ性の好みの度合いでフロントフィンを大き目に考えながら丁度よく感じるフィンをチョイスるとと良いかと思います。